實に立派な軍人

 しかし父は、實に立派な軍人でした。軍人と言うよりも武人とでも言つた方が當つています。「軍人は、國が、他から侵されて危くなつた時に、國を守り防ぐ任務を持つたものだ。そのために國民の間から選まれた者である。だから軍人は、たえず武力を磨いていなければならん。しかしその武力を發揮してはならぬ。軍人が武力...

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父の事

        20[#「20」は縦中横]

 次ぎに父の事を書きます。 これは、非常に簡單です。 父は去年死にました。八月の終戰の日から、ちようど一カ月目の、九月十五日に、セップクしたのです。 そのころ、まだ僕は現地に居りました。父と僕とは親一人子一人の二人きりの肉親で、僕が出征した後父は小...

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怒りに燃えた、刺すような聲

 僕は口の中で言つたのです。すると、ルリさんが僕を睨みつけながら、喰いしばつた齒の間から、「き、き、き!」と言いました。貴島と僕の名を言うつもりなのか、昂奮し怒つたあまりの齒がみの音なのか、わかりませんでした。僕は彼女の眼にいすくめられて頭を垂れました。暫く時間がたちました。「なぜ、なぜ、こんな...

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